スポーツ好きが、スポーツで使えるかもしれない知識を集約

のんびり気ままにお付き合いください

【スポーツ】共通の目標を作ることは、他の何よりもチームワークを深めるそうです。

 

スポーツチームや団体において、世代交代や新年度といった節目に、多くのチームは来年度の目標や次の目標を立てるでしょう。実はその「チームで共通の目標を作る」という行動は、侮ってはいけないほどチームにとって大きな影響をもたらしています。

今回ご紹介する研究は、社会心理学者ムザファー・シェリフ氏らが1961年に行った実験で、「泥棒洞窟実験」と言われています。

 

 

 

実験内容

 

11歳~12歳の少年22名を被験者として集め、AとBの2つのチームに分け以下の①から③の行動を順にとってもらいました。

 

①チーム内での仲間意識を高める

最初はお互いのチームの存在を知らせずにチームA、チームBそれぞれで共同活動を行い、チーム内での仲間の意識を高めました。

②互いの存在を伝え、スポーツ対決を行う。

1週間後に、両チームにお互いの存在を伝えました。

その後、別のチームがいることを意識し敵対心を燃やしているチームA、チームBの両チームを遭遇させ、賞金を懸けたスポーツ対決に臨んでもらいまうと、両チームは互いにさらに敵対意識が強まり、対決内に収まらず対決外でも対立が発生してしまいました。

 

③対立を解消するために、両チーム合同で2つの行動をとってもらう。

スポーツ大会で発生してしまった対立を解消するために両チームに2種類の行動を共にしてもらいました。

 (1)映画や食事などを共にし、チーム同士の交流の機会を増加させた。

 (2)両チームがともに協力しなければ達成できない課題を与えた。

 

 

以上の行動をとってもらい③の(1)と(2)どちらの行動が、チームの対立に効果があったのか記録しました。

 

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実験結果

③の(1)の行動で両チームの交流を深めた場合、チーム間の対立が解消されるどころかより敵対意識が高まってしまった。

一方で(2)の行動で、両チームが協力しなければ達成できない課題を与えたところ、徐々に敵対意識が解消され、相手への好意へと変わっていった。

 

 

 

考察

今回紹介した実験結果から、一緒に楽しいことや娯楽を共にするよりも、協力して何かに取り組む環境が与えられた方が、お互いに良い人間関係が形成できると考えられます。

今回の実験ではチーム内で共同生活を行って仲間意識を形成してから本題の内容に移っていましたが、1週間程度で仲間意識を形成できていることから、楽しい事や娯楽の域を超え、共同生活まで行うと互いに仲間意識を形成できると考えられます。

また、対立を解消する結果となった実験内容③の(2)では、課題を与え実際に行動することで協力をしたことから、目標を設定する場合は、何をどのように取り組みその目標を達成するのか具体的である必要があると考えられます。

 

 

 

 

まとめ

今回はチーム同士の対立でしたが、これはチーム内でも十分に活用できる知識であると考えます。必ずしも皆が同じ考えを持っているわけではありません。団体が大きくなるにつれ、馬が合わないチームメイトも増えるでしょう。

そういったときには、無理に一緒にご飯や遊びに誘ったりせずに、共通の目標をチーム内でしっかり一つ確立させておくことが大切だと考えます。

そのシー無所属しているということは、そのスポーツが好きで、高みを目指すためにそのチームに入ったと認識し、馬が合わなくても見ている方向が同じならば、それはチームにとって大きな障害になることはないと考えます。

また、設定する目標はどのようにして目標を達成するのか可能な限り具体的に細かく設定を行うことで、その効果はさらに強いものとなるでしょう。そしてその目標を高須設定することで、「協力せざるを得ない状況」を作り出すことができ、さらに良いチームワークが形成されると考えられます。

 

 

 

 

今回の参考書籍

亀田達也(2019)『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学

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山岸俊夫(2001)『社会心理学キーワード』

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池田貴将(2017)『図解モチベーション大百科』

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