【スポーツ】緊張時にパフォーマンスを上げてくれる意外な行動
スポーツをしていると誰もが経験するであろう緊張。
今回は、ハーバードビジネススクールのアリソン・ウッド・ブルックス氏が行ったとある実験から、スポーツにも応用できるかもしれない知識をご紹介します。
実験内容
ハーバードビジネススクールのアリソン・ウッド・ブルックス氏は、以下のような研究を行いました。
学生の被験者140人に、人前で2分間のスピーチをします。
被験者は3つのグループに分けられ、それぞれにグループに以下のような異なるアドバイスをして発表に臨んでもらいました。
グループA スピーチの冒頭に「私は落ち着いています」と言い、スピーチを始める。
グループB スピーチの冒頭に「私は緊張しています」と言い、スピーチを始める。
グループC スピーチの冒頭には何も言わずそのままスピーチを始める。
実験結果
グループAとグループCのスピーチ時間に、目立った差は見られませんでしたが、グループBだけ、スピーチ時間が平均して27秒長かったと言います。
また、スピーチ後、スピーチを聞いた観客にスピーチに対する「説得力」と「自身」の2項目について100点満点で評価してもらったところ、これもまたグループBが、どちらの項目も平均して約15点ほど、他のグループより高い評価を得ることができていました。
考察
以上の結果から、緊張(興奮)状態に対する適切な対処は、その緊張を自分の中でもみ消そうとするのではなく、その緊張を受け入れ、積極的に発信していくべきだと考えられます。
そもそも緊張は身を守るための防衛本能であり、なくてはならない本能です。
今回ご紹介した実験は、「スピーチ」という形式でスポーツとは少しかけ離れていますが、「緊張」という状況はスポーツでも頻繁に起こり得ます。
試合前や試合中の大切な場面で、緊張して不安に襲われたときは、近くにいるチームメイトなどに、その緊張を打ち明けてみてもよいかもしれません。
緊張に対して、適切な捉え方をして自身のパフォーマンスアップにつなげてください。
結論
緊張しているときは、その緊張を積極的に発信する
今回の参考文献
Alison Wood Brooks(2014)『Get Excited: Reappraising Pre-Performance Anxiety as Excitement』
Get Excited: Reappraising Pre-Performance Anxiety as Excitement (apa.org)
今回の参考書籍
池田貴将(2017)『モチベーション大百科』